任意売却における連帯保証人の救済について
2024/06/29
2024年6月29日更新
目次
要約
・主債務者と連帯保証人がいる場合、連帯保証人も返済責任を負う
・主債務者が返済不能になれば任意売却が検討される
・連帯保証人も滞納額を補填しなければならない
・離婚後でも連帯保証人の責任は継続し、問題解決は離婚前に対策を立てることが推奨される
はじめに
この記事では離婚による住宅ローンの問題について書いていきます。日本では3組に1組が離婚すると言われていますので、その数は少なくありません。結婚した時やマイホームを購入した時には想定していない為、残った住宅ローンでトラブルになることがあります。
この記事では任意売却のメリットや連帯保証人への影響を解説と具体的な対策を紹介します。あなたと連帯保証人の悩みが解決できるよう、少しでもお役に立てれば嬉しいです。
任意売却とは?
任意売却とは、住宅ローンの返済が困難になった際に、債務者が自ら不動産を売却し、売却代金で債務の一部を返済する方法です。対象者は、ローン滞納が続いているが、競売にかけられていない人です。
特徴として、債権者や金融機関と相談しながら、自主的に物件の売却が可能な点が挙げられます。これにより、競売よりも高い価格で売却できる可能性があります。ただし、事前の相談や専門家への依頼が必要となります。
任意売却と連帯保証人の役割
離婚時に大きな問題となるのが、マイホームを購入する際に、どちらかが名義人、もう一方が連帯保証人となり住宅ローンを組んでいるケースですが、連帯保証人について理解している人が少ないのが現状です。
よく「連帯保証人」と「保証人」が混合している方が多いですが、主債務者に代わって返済する「責任」を持つのが「保証人」で、「連帯保証人」は、殆ど自身がお金を借りているのと同じ立場で、返済を求められた場合に原則逃れることはできません。
具体的な例として、主債務者が返済滞納し、任意売却が必要とされた場合、連帯保証人は連帯保証契約に基づいて、債権者との交渉や売却手続きに参加し、売却価格がローン債務を完済しなかった場合も、代わりに支払って滞納分や差額を補填しなければなりません。
したがって、連帯保証人は、任意売却において重要な役割を担います。
任意売却における連帯保証人の責任
住宅ローン返済時における連帯保証人の責任は、主債務者が返済義務を果たさない場合に、その返済義務を連帯保証人が負うことです。
連帯保証人は、主債務者が返済が困難になった原因や状況を問わず、債権者から請求があれば、いつでも支払い義務を負うことになります。具体例としては、主債務者が失業したり、リストラや病気による収入減があった場合などでも、連帯保証人が返済を続けなければなりません。そのため、連帯保証人は、住宅ローン返済における非常に重要な責任を負います。
住宅ローン滞納時の連帯保証人への影響
住宅ローン滞納時、まずはじめに債権者からの督促や請求があります。主債務者が返済を滞納し、任意売却が必要となった場合、連帯保証人は購入者との交渉や売却手続きを行い、売却代金で滞納分や差額を補填しなければなりません。
さらに、連帯保証人が支払いを拒否した場合、債権者が法的手続きを取ることもあり、自己破産や強制執行などにつながるケースもあります。その結果、連帯保証人の信用情報にも悪影響が出ることがあります。
以上から、返済滞納時の連帯保証人には、負担が大きく、影響も深刻です。
競売と任意売却の違いと連帯保証人への影響
競売と任意売却の違いは、競売が「裁判所が管理する公式な手続きで不動産を売却する方法」であるのに対し、任意売却は「個人や企業間の取引で行われる売却方法」です。
競売の場合、連帯保証人は、主債務者と同様に競売の手続きや滞納額の支払いを求められますが、任意売却の場合、連帯保証人が主債務者の代わりに交渉や売却手続きを行い、売却代金で借金を返済します。
任意売却は競売よりも債務の返済が容易で、連帯保証人の信用情報への悪影響を最小限に抑えることができます。しかし、いずれの手段でも、連帯保証人は債務返済の責任を負います。
連帯保証人から外れることはできる?
離婚後に元ご主人が住宅ローンを返済していましたが、返済が滞ってしまい、連帯保証人である元奥様に住宅ローンの返済請求がきたというケースが比較的多いです。離婚をしていたとしても、連帯保証人から外れることはありません。更には元奥様が連帯保証人になっている場合、元ご主人と連絡が取れないない、所在が分からないと強制執行による差押えを求める権利さえありません。結婚時やマイホーム購入時には到底想像も付かない為、離婚後に連帯保証の責任が重くのしかかってきます。
離婚にあたり「連帯保証人から外れることはできるか?」とよくご質問をいただきますが、お答えとしては「できない」です。
離婚前に行う対策とは?
離婚を考えている方は、正式に離婚が成立する前に住宅ローンの問題を解決しておくことをお勧めしております。離婚が成立すると連絡が取れなかったり、話し合いに応じず取り合ってくれないケースもあります。そういった状況から問題を解決することは、非常に労力のかかる作業となります。特に夫婦名義で購入している場合や連帯保証人になっている場合は要注意です。仮に元配偶者と連絡が取れないとなると、ご自身に住宅ローンの返済義務がきます。任意売却をしようとしても、名義人がいない状況では、任意売却を行うことのハードルはかなり高くなります。離婚後のトラブルを避ける為にも、早急な問題解決が重要です。
債務免除の為の3つの解決策とは?
連帯保証人として債務を保証する契約を金融機関と結んでいる為、解除は容易ではありません。具体的な回避策としては下記の3つがあります。
1.配偶者単独で住宅ローンを借換え
2.代わりの連帯保証人を見つける
3.住宅ローン相当の資産を担保にする
この3つがありますが、現実的にはかなりハードルが高いと思います。連帯保証人という責任から逃れたいなら「自宅を手放す」という方法が結果的には現実的です。自宅を売却し残りの住宅ローンを返済すれば、全てをリセットし新たなスタートを切ることが可能です。
離婚すると財産はどうなる?
結婚をするとお互いの財産は夫婦で管理することになります。結婚生活の中で夫婦で築いた財産は、夫婦の共有財産となります。では、離婚した場合の共有財産はどうなるのでしょうか?離婚した場合、夫婦共有財産は二人に分配されて、それぞれの資産となります。これが「財産分与」です。
自宅はどうなる?
結婚をしてから購入した自宅は夫婦の共有財産とみなされます。名義がご主人であっても二人の共有財産ですので、離婚したからといって追い出すことはできません。では住宅ローンが残っている場合はどうなるのでしょうか?
住宅ローンが残っている場合、不動産の価値と住宅ローンの返済額を合わせて財産分与を考える必要があります。ポイントになってくるのは、「不動産の時価」と「財産分与時のローン残債額」の差額です。
不動産の時価>ローン残債額の場合、アンダーローンとも言いますが、その差額を分与します。どちらかが継続して自宅を所有する場合は、分与に相当する現金を相手に支払う必要があります。
重要なポイント
特に重要な問題は、不動産の時価<ローン残債額の場合です。オーバーローンとも言われ大幅な地価の上昇がない限りは、このケースがほとんどです。この場合、その不動産には経済的価値が少ない為、共有資産ではないと判断されるので、財産分与とは別の形で解決策を検討する必要があります。
但し、それは連帯保証人になっている場合ですので、連帯保証人になっていない場合は該当しません。
まとめ
任意売却は、連帯保証人にも大きな影響を与えます。解決のカギは、早期の相談や任意売却を専門とする不動産会社や弁護士等のサポートが重要であり、連帯保証人への配慮を行いながら任意売却を成功させることです。専門家のアドバイスが、連帯保証人との関係修復や安心した生活への道を切り開きます。
任意売却のよくある質問
- 費用はどれくらいかかりますか?
- 基本的には費用はかかりません。任意売却の場合、仲介会社の仲介手数料は、売却代金の中から配分されます。但し、宅建業社ではない仲介業者に依頼した場合は、正規の仲介手数料を請求できない為、紹介料やコンサルフィーとして費用を請求されるケースがあります。不動産売買における本来の仲介手数料はは、売買代金×3%+6万円+消費税であり、これ以上を仲介手数料を請求することはできませんが、紹介料などの名目であれば高額な費用を請求される可能性がありますので、ご注意下さい。
- 任意売却はいつまでできますか?
- 競売の開札日前日まで可能ですが、前日までに全ての段取りを終える必要があります。具体的には、1カ月の期間は欲しいです。余裕を持ったスケジュールであれば、任意売却が成功する可能性が高くなります。
- 自己破産をしたほうがいいですか?
- 必ずしも自己破産する必要はないと思います。年齢や借入状況、収入などを考慮して、計画的な返済方法を組んで返済することをオススメしております。但し、借入が多く返済が厳しい状況であれば自己破産も問題ありません。
- 引っ越し代はもらえますか?
- 売却代金の中からの配分金として、引っ越し代を認めて頂ける債権者もいます。ただ最近はそれを認めない場合や、債務者がすでに自己破産していることを条件とする場合もあります。債権者によって様々ですので、ご注意下さい。
- 毎月の返済額を減らすことはできますか?
- 一定期間ですが、月々の返済額を減らすリスケジュールを行ってくれる金融機関はあります。ただし、あくまで返済期間を延長することで月々の返済額を落としたり、利息分のみの支払いで元本返済は猶予といった条件であり、元本自体を免除するわけではありません。根本的な解決にはなりませんので、将来の見通立たないようでしたら任意売却を検討されてもいいかもしれません。
- 親族間売買は可能ですか?
- 基本的には難しいことが多いと回答しております。親族間や親子間で不動産の売買を行うことは一般的ではないとの判断から、認められないことが多いです。ハードルは高いですが、状況によっては可能です。一度、ご相談下さい。
- 残った住宅ローンはどうなりますか?
- 任意売却後に残った住宅ローンについては、可能な範囲で返済するか、法的措置を検討するかのどちらかです。重要なのは「可能な範囲」で返済することであり、現在の状況によって可能な返済額が変わってくると思います。毎月の返済額が微々たる数字であっても、誠心誠意の姿勢を見せていれば、債権者も応じてくれます。
- 相談は無料でしょうか?
- 無料でご相談を承っております。ご自宅へお伺いする際の交通費も必要ありません。お気軽にお問い合わせください。
勇気を持って、まずはご相談の一歩を
任意売却は「任意」でしか行うことができない対策です。とにかく行動することでしか何もはじまりません。行動を起こせば手を差し伸べてくれる人は必ずいます。
あなたがやっていることはなにも間違ったことでもありません。住宅ローンが支払えなくなったこと、離婚が決まって共同名義で購入したマイホームが不要になったこと、それは誰にも話したくないことかもしれませんが、ひとりで抱え込まないでください。そして、ひとりで悩まないでください。
あなたの状況は放っておけば放っておくほど深刻化、重大化します。この状況を誰かが解決してくれるわけではありません。あなた自身が自分の手で解決しなければならないのです。
勇気をもって、まずは相談の一歩を。そうすれば、きっとあなたがいま思っている「最悪」な結末は避けることができるはずです。
1人で悩むことは終わりにしましょう
任意売却は、法律の知識や経験が必要であり、売却までに時間がかかるため、一般の不動産会社は取り扱いを避けることが多いです。その結果、適切なアドバイスを受けられず、競売へ進むケースが生じることがあります。
住宅ローンの滞納や滞納の可能性が高い状況で、任意売却を検討している方は、任意売却の専門家である「かりゆし」に相談してください。自己破産や競売に至る前に取れる対策は存在します。かりゆしが、債権者(金融機関)と債務者(相談者)の間に立ち、スムーズな取引をお手伝いします。
相談者の多くは、所有されている土地やマンション、一戸建てを手放したくない、または連帯保証人に迷惑をかけたくないとの思いを強くお持ちです。物件を購入した時には、このような状況を想像した人は誰もいないでしょう。
しかし、希望はあります。任意売却の解決のカギは、「早期の相談」です。かりゆしでは、費用がかからない無料相談を行っておりますので、お気軽にお問合せ下さい。大阪での任意売却なら、かりゆしにお任せください。
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株式会社嘉理吉(かりゆし)
大阪市中央区南船場3-7-27 NLC心斎橋4-J
TEL : 06-4708-3563
FAX : 06-4708-3564
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